BLOF理論のQ&A

BLOF(ブロフ)理論が注目を集めている。
科学的・論理的な有機栽培を実践し、有機栽培でも高品質・多収穫を実現でき、病害虫に強いというのがその理由。
BLOFとはBiological Farming(バイオロジカルファーミング)の略。
小祝政明氏が提唱している理論で、日本全国で実践する生産者が増え続けているだけでなく、中国、アフリカ等世界各地でも導入されている、再現性のある有機栽培技術理論だ。

農業ビジネスベジVol.26(2019年夏号)より転載

写真/小久保陽一

2020/07/29

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太陽熱養生処理の効果で雑草の少ない農業実践教室の美しい畑には、青々としたニンジンの葉が茂る。

回答者/高橋有希氏(農業実践教室 代表)
〈農業実践教室〉
BLOF理論に基づく科学的な有機農業を学べる教室。初心者でも学べる野菜づくり講座、受講生・卒業生限定の特別企画講座(土壌分析の会)、提唱者・小祝政明氏(元ジャパンバイオファーム代表取締役)によるBLOF理論講座(入門講座、実践講座)を開講。住所:千葉県千葉市若葉区谷当町、URL:https://t-kougousei.jp/

Q BLOF理論とは、簡単に言うとどのような理論なのでしょうか?

A 作物の植物生理に沿って、科学的・論理的に有機栽培を行う理論です。
BLOF理論では、栽培を3つの分野で考えます。

① 作物の成長に最適なアミノ酸の供給
② 土壌分析・施肥設計に基づいたミネラル肥料の供給
③ 高C/N比の中熟堆肥(オリゴ糖堆肥)を用いた太陽熱養生処理による土壌団粒形成、土壌病害虫抑制、水溶性炭水化物の供給

これらを組み合わせて、作物が強く育つ土壌を整え、必要な栄養分をそのつど供給してやるというのが、BLOF理論の大筋です。

Q まず、最初の「作物の成長に最適なアミノ酸の供給」について教えてください。

A それを説明するために、植物のからだの仕組みについて少し解説します。
植物は光合成によって、光をエネルギーとして利用し、根から吸収する水と葉から吸収する二酸化炭素から炭水化物(ブドウ糖)を合成します(図1)。つくられた炭水化物は、植物の細胞をつくるタンパク質や、細胞壁をつくる食物繊維(セルロース、ヘミセルロース)の原料になる。これが、植物の成長の基本となるわけです。

BLOF理論

慣行栽培では無機態窒素の配合された化学肥料を使用するため、窒素が植物に吸収されてタンパク質の合成を行う際に、

無機態窒素(N)+光合成で作られた炭水化物(CHO)=アミノ酸 ⇒ タンパク質

というように、光合成で作られた炭水化物が利用されてしまいます。(図2)

BLOF理論では窒素源として有機態窒素のアミノ酸肥料を使用します。アミノ酸は炭水化物(CHO)がすでに含まれているため、タンパク質の合成を行う際に、光合成で作られた炭水化物をあまり使わなくて済みます。わかりやすく式にすると

炭水化物付き窒素(CHO-N)= アミノ酸 ⇒ タンパク質

ということです。農学では長年、植物が吸収できるのは無機態窒素で、アミノ酸などの有機態窒素は吸収しないとされてきましたが、最近はアミノ酸を吸収させるとタンパク質がスムーズに合成されることがわかってきています。

余った炭水化物は細胞壁の原料となる食物繊維の合成へ回り、細胞壁が厚くなり、病気や害虫に強くなる上に、炭水化物は植物の栄養(でんぷん、糖、抗酸化物質等)の元にもなりますから、品質や収量の向上も期待できます。

BLOF理論

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