ハチより扱いが簡単な農業用受粉ハエを開発

2021/03/24

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岡山大学医学部発ベンチャー企業ジャパンマゴットカンパニーは、農業向けのハエ活用として、受粉用ヒロズキンバエ(ビーフライ)を独自技術で開発し、製造している。

マゴットカンパニー 岡山大学 農業用受粉ハエ

「ビーフライ」に用いられるヒロズキンバエ。

2008年頃から、農業では世界的なハチ不足により作物の受粉に欠かせないハチが手に入らない状況が続き、価格高騰で農家は大きな被害を受けた。そこで同社は、医療用ハエの製造技術を応用し、ハチと同様に花粉媒介昆虫であるハエを新しいハチ「ビーフライ(BEE FLY)」として提案。ネーミングは、「ハチ(BEE)のように働くハエ(FLY)」から命名されている。

マゴットカンパニー 岡山大学 農業用受粉ハエ

花粉媒介昆虫としてのヒロズキンバエ(商品名:ビーフライ)を利用したイチゴの促成栽培の例。

ハエの活動温度帯は10~35度と、ハチの15~25度に比べて活動温度帯が広く、紫外線がなくても活動する。また、ハチは雨天や曇天時は活動しないが、ハエは天候に左右されることなく活動できる。さらにサナギの状態での入荷が可能で、人に刺さないことから取り扱いがハチと比べて簡単であることが大きな利点でもある。ハチ不足の解決法として注目されており、現在、ビーフライの導入農家は500軒を越え、その出荷は1000万個を越えている。

同社では、近未来型農法として注目されているビーフライの研究開発を促進しており、多種多様な企業などとの共同研究を強く求めているそうだ。

また、同社では2004年、岡山大学医学部で、オーストラリア産ハエの幼虫(マゴット)を使った傷口治療に有効なマゴットセラピーを実施。「マゴットセラピー」は、古来より傷の治療方法のひとつとして利用されている手法で、傷口に意図的にハエ幼虫をわかせることで傷治療を行うもの。同社では国内産の医療用マゴットを生産し、病院や診療所と連携しながらマゴットセラピーを実施し、国内での発展を促進している。

マゴットカンパニー 岡山大学 農業用受粉ハエ

ジャパンマゴットカンパニーの佐藤卓也代表取締役。

同社では、ハチより安価で、かつ扱いが簡単な農業用受粉ハエ「ビーフライ」の開発は食料の安定確保など農業に関係するSDGsの目標2「飢餓をゼロに」にや緑の豊かさを守ることなどに関係するSDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」、古来の治療法をいまの医療現場に沿う形にしたマゴットセラピーをSDGsの目標3「すべての人に健康と福祉を」に合致すると考え、SDGsをただのムーブメントとしてではなく、事業として推進することで、世界共通の目標であるSDGsの達成にも貢献する考えている。

同社に対する問い合わせは、(電話)086-953-4430、(メール)info@maggot.co.jpまで。

マゴットカンパニー
岡山大学 研究推進機構