国産初リモコン式小型ハンマーナイフ草刈機を開発

2022/02/18

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IHIアグリテックと農研機構、福島県農業総合センターは、急勾配法面の繁茂した雑草を刈り取れる国産初のリモコン式小型ハンマーナイフ草刈機を開発した。6月から台数限定で販売を予定している。

除草作業 草刈機 農研機構 IHIアグリテック 省力化

作業の様子。(出典:農研機構)

急勾配法面における草刈作業は刈払機を用いて人手により行われる場合が多く、法面での作業となるため姿勢が不安定で、作業中の転倒・転落事故が多く発生している。また、中山間地域は平地に比べて法面等耕作地周辺の面積割合が高く、その管理作業が生産者の大きな負担となっており、作業者が安全な場所から効率的に草刈作業を行える草刈機の開発が要望されていた。

このためIHIアグリテックと農研機構、福島県農業総合センターは、リモコン操作で1mを超える雑草の繁茂した急勾配法面で作業を行うことができるハンマーナイフ式の草刈機について共同研究を行い、現地試験等の結果、市販の草刈機(リモコン式、歩行型、刈払機)の2倍以上の作業能率で草刈りを行うことに成功した。

■最大適応傾斜角45度 人力作業の2倍以上の能率アップ

開発された草刈機は、リモコンで操作するハンマーナイフ式で、主に草刈部、走行部、操作部で構成される。ハンマーナイフ式とは、回転するドラムに並んだY字型のフリー刃(ハンマーナイフ)が縦に回転しながら草刈部内に入った草を巻き込み、粉砕しながら刈り取っていく方式。

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開発機の外観。(出典:農研機構)

走行部は、クローラー式で、左右で独立した合計2個の油圧モーターで駆動する。油圧式無段変速機(HST)により車速を0~1.4m/sで調整し、左右の信地旋回、超信地旋回を行うことができる。草刈部は、ハンマーナイフ式で、1個の油圧モーターで駆動。また、電動シリンダで刈刃高さを20~200mmの範囲で調節できる。操作部は、IP65防塵防水仕様のリモコン(周波数2.4GHz)を用いており、100m以上離れた場所からエンジンの始動、停止、前進・後進・旋回、草刈部の上下や非常停止等の操作が行える。

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軽トラックへの積載も可能だ。(出典:農研機構)

機体の大きさは、1683×1105×690mm、質量が346kgで、軽トラックや商用バン等でも運搬できる。

同機の最大適応傾斜角は45度で、搭載するガソリンエンジン(10kW)は、全方向最大45度までの勾配で運転が保証されている。また、草刈作業は、同機を法面の等高線に沿って走行させて行い、法面端で旋回させて次行程の作業に入る。この動作を繰り返すことで連続作業が可能となる。

香川県善通寺市で行った試験では、平均斜度36度(最大38度)の急勾配法面で、草丈74cmの条件で、市販リモコン草刈機の2倍程度の能率で作業できることを確認。また、福島県相馬郡飯舘村で行った試験では、平均斜度36度(最大42度)の急勾配法面で、草丈155cmの条件で、市販の歩行型草刈機の2倍以上の能率で作業できることを確認した。

法面以外では、茎が硬く草丈の大きなセイタカアワダチソウ(草丈136cm)が群生する平坦圃場で、刈払機による人力作業の2倍以上の能率で作業が行えることを確認。また、つる性雑草のクズが繁茂した平坦な圃場でも作業できた。

安全で効率的に急勾配法面の雑草除去が可能となり、生産者にとって労働力不足の解消、負担軽減が図れる。6月に台数限定で販売が予定されているので、気になる方はIHIアグリテック 営業部 芝草グループに問い合わせを。

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