改正輸出促進法成立 農水省 農林水産物の輸出拡大を目指す

2022/05/24

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農林水産物や食品の輸出を拡大するため、生産から流通、販売までさまざまな事業者が参加した団体を品目ごとに作り、国が認定するという新たな制度を盛り込んだ、改正輸出促進法が5月19日の衆議院本会議で可決・成立した。これをうけ、政府は20日に農産物輸出の関係閣僚会議を開き、輸出促進のための品目団体の速やかな認定など新たな方針を決めた。

改正輸出促進法の主な内容は以下の通り。

①農林水産物・食品輸出促進団体(品目団体)の認定制度の創設
輸出品目ごとに、生産から流通、販売までに至る関係者が連携し、輸出促進を図る法人を設立できるようにし、国が認定する。認定を受けた団体は、商品の品質に関する共通の基準作りや、海外の市場調査や商談会参加等の需要開拓、輸出事業者に対する情報提供など通じて輸出拡大を目指す。

②認定輸出事業者に対する支援の拡充
輸出事業計画をつくり国から認定を受けた事業者向けに税制面の優遇措置や運転資金に活用できる融資制度を設け、支援を拡充する。

③民間検査機関による輸出証明書の発行
輸出証明書を速やかに発行できる体制を整備するため、国の登録を受けた民間検査機関が輸出証明書の発行を行える仕組みを創設する。

④有機JAS制度の改善(JAS法改正)
JAS規格の制定の対象に有機酒類を追加する。その他輸出促進に必要な事項を措置。農水省は有機JASマークがついた日本酒について、米国やEUなどと認証の同等性確保の交渉を早急に行い、早期の相互承認を目指す。

農林水産省が輸出促進の重点としているのは28品目。
【輸出重点品目】
牛肉、豚肉、鶏肉、鶏卵、牛乳・乳製品、果樹(リンゴ、ブドウ、モモ、カンキツ、カキ・カキ加工品)、野菜(イチゴ)、野菜(カンショ等)、切り花、茶、コメ・パックご飯・米粉及び米粉製品、製材、合板、ぶり、たい、ホタテ貝、真珠、清涼飲料水、菓子、ソース混合調味料、味噌・醤油、清酒(日本酒)、ウイスキー、本格焼酎・泡盛

また、輸出事業者を専門的、継続的に支援するため、JETRO(ジェトロ)海外事務所と在外公館などが連携して輸出先国で活動する「輸出支援プラットフォーム」の立ち上げを行う。

すでに今年4月に米国、5月にタイ、シンガポール、EU(フランス)の4か国5都市で立ち上げた。2023年度までに中国、台湾、香港、ベトナムで立ち上げる予定にしている。

活動内容は、規制やニーズなどをまとめたカントリーレポートの作成、新たな商流の開拓、現地法人の支援、現地の日本食レストランを活用した日本食の普及などを行う。

福島第一原発事故による輸入規制については、規制を維持する国・地域は14。現在、英国のジョンソン首相が同国内で手続きが順調に進めば6月末までに規制を撤廃する予定だと5月の日英首脳会談で表明している。政府は今後も一体となって規制撤廃を働きかける方針だ。

輸出産地・事業者の育成や支援を行うGFP(農林水産物・食品輸出プロジェクト)は会員数が6203となった(4月末時点)。ただ、輸出が国内生産に占める割合は2%程度。依然として輸出に取り組む生産者は少なく、5兆円の目標を達成するためには、輸出産地・事業者の育成に向けた支援措置の充実が不可欠。新たに輸出にチャレンジする産地の掘り起こし(初級レベル)、規制が厳しい国が求める産地登録などへの対応(中級レベル)、商社任せの間接取引から直接取引への移行(上級レベル)など、輸出事業者のレベルにあわせて細やかなサポートを継続的に行うための運営体制の整備を検討している。

2021年の農林水産物・食品の輸出額は初めて1兆円を突破。政府は2025年に2兆円、2030年までに5兆円に引き上げることを目指しており、オールジャパンで海外展開を加速させる。

農林水産省・政府の取組