ペプチド実用化へ 三洋化成と新富町が連携協定

2021/06/09

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三洋化成工業と宮崎県の新富町は6月4日、持続可能な農業を目指して連携協定を締結したと発表した。

三洋化成工業は、これまで培った界面制御技術をはじめとする化学技術によって、農業分野の課題に応えるソリューションの提供を目指しているが、その1つとして農業における「ペプチド」※の活用を研究開発している。
※ペプチドはアミノ酸が複数つながったもの。植物の代謝や組織間の情報伝達の要として働き、生育環境への適応や耐性向上などに欠かせない重要な成分。

特定のペプチドを与えることで、植物に不足している性質を発現させ、従来の品種改良と比較して、安心で簡単に植物の様々な機能を引き出すことが可能となる。その結果、病害虫や気候変動による被害を防ぎ、農作物の収量や品質を向上することが期待されている。

同技術を農作物の育成に活用し、持続可能な農業に貢献できる技術の実用化に向けて、同社は今回、新富町と連携協定を締結した。

新富町は、基幹産業である農業の振興発展に向けた取組の拠点となる新しい農業公社「ニューアグリベース」を設立。同法人では、地域農業者、行政、農協、企業等が一体となり、新たな農業生産技術の研究開発、新規作物の産地化及び地域農業者の人材育成や担い手確保に取り組むことにより、地域農業が抱える課題の解決や新たな農業生産システムを構築する。

さらに、新たな販路拡大及び出口戦略等の取り組みを行い、攻めの農業を実施することによって地域農業者の農産物の収量増および所得の向上等に繋げるとともに持続可能な地域農業の実現を目指す。そのため、新富町では、農業技術の試験研究、新規作物の産地化等の実証実験を実施可能とする試験研究用ハウス施設等を整備する。

三洋化成工業 新富町 連携協定 ペプチド農業

施設整備エリアは、宮崎県サッカーチームのデゲバジャーロ宮崎(J3)の本拠地スタジアムの北側に位置し、実証実験ハウス、直売所、加工施設等の施設を整備する予定。(出典:三洋化成工業)

試験研究用ハウス施設などを備えた約10aの研究施設は今年度中に設ける予定で、まずはキュウリとブドウを試験栽培する。溶解した液状のペプチドを葉の表面に散布し、試験データを得て有効性を確かめていく。同社によるとペプチドを散布したキュウリは通常より1.5倍ほどのはやさで育ち、収穫までの期間を短くできる。ブドウは抗酸化物質のポリフェノールの成分量増加が期待できる。ほかにも害虫への耐性を高め農薬の使用量を減らしたりといった効果が期待できるという。1~2年後をめどに事業化を目指し、将来はジュースやワインなど付加価値を高めた商品開発も視野に入れる。

三洋化成工業は、試験研究用ハウス施設等を地域農業者と共同研究の場として活用し、「ペプチド農業」の実証検討を行うことにより、農業関係者との連携及び試験研究の拡充、地域農業者への普及啓発を行っていく。

三洋化成工業と新富町は、協業を通してペプチド等の有用技術を用いた新しい農業を確立し、持続可能な農業の実現を目指していくとしている。

三洋化成工業
新富町