「農業Week 2020」イベントレポ【自動運搬ロボット+ドローン編】

2020/10/19

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国内最大級の農業見本市「農業Week 2020」(主催:リード エグジビション ジャパン)が10月14日~16日の3日間、幕張メッセにて開催された。最新のスマート農業技術・製品から、農業資材、養豚・養鶏・養牛に関する資材・設備など、農業に関するあらゆる技術、機器、サービスを提供する500社が出展。また、今年は新型コロナウイルス対策として検温やマスク着用を徹底したほか、オンライン参加にも対応した。

会場で見つけた注目の製品・サービス等をリポートする。まずはドローンや自動運搬ロボットなど、作業を省力化・軽労化するロボット農機を紹介する。

デモに多数の来場者が集まったXAG JAPANの農業用無人車「R150」。

デモンストレーションに多数の来場者が集まっていたのは、XAG JAPANの日本初公開となる1台で複数の機能と拡張性を持つ農業用無人車「R150」。薬剤散布、運搬など用途にあわせて利用することができる。バッテリー方式で、フル充電で4時間の走行が可能だ。操作方法は、自動運転(アプリにより自動的にルートを生成できる)とリモコン操作の2種類。自動運転は、同社のドローンと同様の自動運転機能を採用。位置情報を基にアプリがルートを自動で生成して走行する。往復モードや作業者に追随する追随モードといった機能もある。傾斜は15度まで対応。薬剤散布では、100リットルのタンクを搭載できる。

デモでは2つの散布スプレーの動く様子が見られた。上下に200度、左右に290度回転し、最大散布幅は12mと幅広く噴霧できる。1時間で5.3haを散布できるという。

2つの散布スプレーは、上下に200度、左右に290度回転し、最大散布幅は12mと幅広く噴霧できる。最大の作業効率は5.3ha/時だという。ドローンが使いにくい果樹園などでの使用に威力を発揮しそうだ。2021年度内の発売を予定。また、ドローンは、完全自動散布・自動航行のドローン「P30」や多機能ドローン「XMission」などを展示。

銀座農園で展示されていた各種センサーを搭載した「FARBOT BASIC」。

農薬散布のアタッチメントを搭載した「FARBOT 4WD」。

スマート農業向けの最新技術開発や実証、AIソフトウェア、ロボットなどを開発・販売する銀座農園は、アグリロボット「FARBOT」を展示。各種センサーを搭載した「FARBOT BASIC」や、ブロア、農薬散布などアタッチメント搭載で多用途に利用できる「FARBOT 4WD」が展示されていた。また、2021年春に登場予定の新型FARBOTの製品ラインアップなどコンセプトが紹介されていた。

DoogのTHOUZER(サウザー)に薬剤散布機能を搭載。反射テープを敷設備すれば無人で走行可能だ。

東芝三菱電機産業システムと千代田組のブースでは、Doogの「THOUZER(サウザー)」に薬剤散布機能を搭載し、デモンストレーションを行っていた。反射テープを認識して無人でスムーズに走行していた。
参照:運搬はロボットにお任せ メモリトレース搭載の「サウザーベーシック」を発売

(左)ハウスなどGPSが利用できない圃場での利用を可能とする「EMI90X 2020 Prototype」。(右)GPS・GPS+RTK・準天頂衛星みちびきに対応した散布スプレイヤー搭載ロボット。

ドローンや無人ロボット、AIシステムプログラミングの開発・研究開発を行う信州発の産業用ロボット開発ベンチャーのEmi labは、AIなどを搭載した「EMI90X 2020 Prototype」を展示。ビニールハウス内や木々が茂っている場所などGPSの利用が難しい環境下で自律走行を実現するロボットを提案していた。また、果樹園などでの利用を想定したGPS・GPS+RTK・準天頂衛星みちびきに対応した散布スプレイヤー搭載ロボットもあわせて展示。

DONKEYのブースでは、40kgの重さを載せて、軽トラックの乗降を自力で行うデモが行われた。

来年の試験販売に向けて開発中の小型多機能型農業ロボット「DONKEY」を展示・デモを行っていたのはDONKEYのブース。40kgの重さを載せて、軽トラックの乗降を自力で行うさまをデモ。登坂性能は最大搭載時(100kg)で20度とのことだが、デモではスムーズに乗降していたのが印象的。四輪独立モータを採用し、サスペンション機構を始め自動車に採用されている技術を搭載することで、荒地や畑などの段差の多い環境でも安定して走行できるとしているので、大型の農機が入りにくい場所での利用で威力を発揮しそうだ。

今使っているねこ車・一輪車を1時間で電動化するキット「E-Cat kit」。ねこ車・一輪車しか入れない圃場での作業を軽減してくれる。アシスト力は5段階で、細かい調整はアクセルレバーで可能。

自動運搬ロボットではないが、運搬を電動化するキットで注目を集めたのが、道路環境に依存せず自由に移動できるシステムを提案するCuboRex。ねこ車・一輪車を電動化するキット「E-Cat kit」が注目されていた。今使っているねこ車を1時間で電動化するキットで、有田ミカン生産者からの意見を取り入れて製品化したという。有田ミカンは密植栽培を行っている農園が多く、収穫の際に運搬用としてねこ車や一輪車しか圃場に入れないそうだ。そこで農業者の負担を軽減できるようにと電動化キットの開発を決めた。木の根や柔らかい土の上でもスムーズに力を入れることなく、ねこ車や一輪車を取り回すことができるようになる。

「E-Cat kit」の内容は、モーター内蔵ホイール、リチウムイオンバッテリー、充電器、コントローラー、コントローラーバッグ、アクセルレバー&ディスプレイ。

販売価格は116,000円(税別)。現在、JAありだにて販売が開始されており、全国販売は2021年2月からの予定とのこと。

マゼックスのブースでは「飛助mini」展示。コンパクトでタンク容量が5リットル機体ながら1haの散布機能を持つドローンだ。

マゼックスでは、先日発売されたばかりの低燃費・コンパクトサイズの5L機ドローン「飛助mini」など多数のドローンを展示。「飛助mini」は、コンパクトで5リットル機体ながら1haの散布機能を持つドローンで、中山間地の中小規模圃場での利用を想定して作られた。本当に必要な機能と性能をとことん極めた「実用性の高いドローン」でありながら54万円からという低価格も魅力。
参照:低価格の農薬散布ドローン「飛助mini」を発売

テクノスヤシマ、八洲電業の共同ブースで展示されていた大型農薬散布ドローン「YD25-30」。

テクノスヤシマ、八洲電業の共同ブースでは、24Lのワンタッチ取り換え式タンク搭載のハイブリッドエンジン農薬散布ドローン「YD25-30」を展示。ペイロード25kg、最大30分飛行可能な大型ドローンで、1haを約6~8分で散布が可能。発電機とバッテリーでのハイブリッド飛行システムで、エンジンがパワー不足となった場合はバッテリーで補助する。

薬剤タンクはワンタッチで交換が可能だ。

薬剤タンクは簡単に取り外しが可能で、交換時間を短縮でき効率よく大規模圃場の農薬散布が行える。アームとプロペラは折り畳むことができ、軽トラックに載せることができる。2021年春に発売予定で、価格は480万円(税別)。

石川エナジーリサーチの農業用マルチコプター「Agri Flyer」。

石川エナジーリサーチは、農業用マルチコプター「Agri Flyer」、エンジンハイブリッドドローン「Hybrid-Flyer」などを展示。「Agri Flyer」は、ボディは超軽量マグネシウム合金、日本製高耐久モーターで高い信頼性を持ち、流量センサー採用で高精度な散布が可能。農薬タンクは簡単に取り外せ、丸洗いOK。使い始めのエア抜きが不要で、すぐに散布が可能で1haを10分で散布できる。また、液剤は使いきることができるので、残農薬処理が不要で経済的かつ作業時間の短縮にもつながるという。コンパクト収納で自動離着陸アシスト機能付。

次のリポートでは、AIや環境制御などスマート農業関係で注目の製品や技術などを紹介する。

農業Week 2020