JA兵庫六甲×神姫バス 路線バスで直売所へ

2021/01/18

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神姫バスとJA兵庫六甲は、 利用者の減少により路線の維持確保に苦しむ 路線バスと、農産物販売所までの 輸送手段の確保に悩むJA・生産者の課題を解決する取り組みとして、路線バスで農産物を運送する貨客混載の実証運行1月19日(火)から開始する。

JAおよび生産者と地域を走る路線バス事業者が連携しての貨客混載は関西初の取り組み。

神姫バス三田営業所が運行する路線バス「三田~小柿線」は、三田市の高平地区住民にとって重要な交通手段だが、近年の人口減などで路線維持が課題となっている。さらに、コロナ禍によるバス利用者の減少も重なり、新サービスの創出が急務となっている。

一方でJA兵庫六甲では、高平地区における生産者の高齢化に伴う青果物の減少や直売所「パスカルさんだ一番館」までの青果物の輸送手段の確保、午後からの品薄解消が課題だった。また生産者は、青果物出荷のため直売所まで片道約10kmを20分かけ自家用車で往復しており、高齢化による運転への不安から「青果物を作りたくても作れなくなる」ことが課題となっているという。

そこでJA兵庫六甲と生産者、神姫バスの3者はそれぞれの課題を解決するため、日々運行する路線バスの車内スペースを活用し、青果物を輸送する「貨客混載」の実証実験を行うことで合意した。

実証運行期間は1月19日(火)~4月30日(金)までの火曜日と金曜日。

貨客混載を行う便は、神姫バス路線「三田~小柿」線の高平小学校前停留所11時02分発、三田駅北口行きの1便(従前から運行する既設便。ただし土日祝は運休)。

貨客混載 JA兵庫六甲 神姫バス

出荷から販売の流れ。(出典:神姫バス プレスリリース)

混載方法は、運送を希望する生産者は、前日にJA兵庫六甲高平支店へ出荷予約を行い、出荷数(コンテナ数)を調整。当日、生産者は高平支店に出荷物を持ち込み、バスへ積み込む。高平小学校前停留所を発車したバスは、貨客混載で三田駅へ。三田駅北口停留場に到着後、乗客は降車するが、バスは出荷物を載せ、「パスカルさんだ一番館」最寄りの福祉保健センター停留所まで搬送する。福祉保健センター停留所に到着した後、同館担当者に出荷物を引き渡し店舗で販売する。バスへ11時ごろに積み込んでから、直売所の店頭に12時ごろに並ぶ想定、

貨客混載 JA兵庫六甲 神姫バス

写真左:使用予定の大型ノンステップバス/写真右:コンテナを最大積載したイメージ
(出典:神姫バス プレスリリース)

混載の最大積載量は、浅型コンテナ10個分(床面に8面、座席に2個)。車両は2台分の車いす固定スペースがある大型ノンステップバスで運行し、車いす1台分のスペースと一部座席に出荷物を積み込む。搬送運賃は、1コンテナ当たり200円または250円(出荷数を管理し月ごとに清算する)。

国土交通省が2017年9月から「貨客混載」の一部規制緩和を行ってから、高速バス、路線バス、タクシー、鉄道等でさまざまな取り組みが行われてきている。

バスを利用した貨客混載では、2018年8月よりJA全中、農林中金、三菱地所、エコッツェリア協会、アップクオリティではじめた高速バスで乗客とともに農産物を東京・丸の内に届ける取り組み「産地直送あいのり便」が、現在では全国49地域 55路線と連携中だ(2020年8月現在)。その他にも京王電鉄と岐阜県高山市、地域商社やまぐち(山口県下関市)と防長交通、JAあいち豊田と豊田市のコミュニティバス「とよたおいでんバス」、良品計画と日東交通などなど、さまざまな地域で取り組みが行われている。

このように、バス等による貨客混載の取り組みを行うことで、生産地から消費地への輸送での輸送効率の改善と輸送費削減が期待できるほか、生産者にとっては新たな販路獲得へつながる。また、過疎地域等における路線の維持、物流の効率化が期待できる。

関係するプレイヤーが多く調整が難しいといった問題などもあるが、農業分野における貨客混載の取り組みは農産物の物流の効率化、販路開拓などの手段の1つとして注目される。

JA兵庫六甲
神姫バス
パスカルさんだ一番館