電解水素水が柿果皮の黒変を抑制

2021/10/05

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パーシモン研究所と日本トリムは、共同で電解水素※水潅水による柿の果皮黒変の抑制効果とそのメカニズムに関する研究成果を、9月20日~26日に開かれた「第7回カキ国際シンポジウム」で発表した。
※電解水素水:水道水を整水器で浄水しかつ電気分解することで得られる、アルカリ性で分子状水素(molecular hydrogen)を含む飲用の水。また、研究により分子状水素および微量に存在する白金ナノ粒子に保持された反応性の高い水素により抗酸化作用を示すことが学術発表されている。

柿 柿果皮の黒変 農業用電解水素水 パーシモン研究所 日本トリム

ブランド柿「太秋」。写真右は果皮が黒変した「太秋」。

果物の商品価値は見た目も大きな要素の一つ。ブランド柿「太秋」は栽培環境により柿果皮の黒変が発生し商品価値を落としてしまうという課題があった。そこで抗酸化性があるとされる水素(H2)を含む電解水素水を潅水することでその果皮黒変を抑制し、その作用機序とともに商品価値を上げることに寄与できるかを調査することを目的として行われたのが同研究だ。

同研究では、農業用電解水素水生成器から生成される電解水素水を柿に潅水し、柿の果皮の黒変に対する抑制効果とそのメカニズムを調べた。「太秋」幼木3本に電解水素水または地下水を12回潅水し、それぞれ12果及び7果を用いて柿果皮の黒変度合い(0~3の4段階評価)を評価。また、黒変関連遺伝子のリポキシゲナーゼとホスホリパーゼの遺伝子発現量を測定した。平均卸単価は黒変程度の違いによる平均卸単価と収穫割合から算出した。

柿 柿果皮の黒変 農業用電解水素水 パーシモン研究所 日本トリム

図:電解水素水潅水による果実条紋と黒変に及ぼす影響

その結果、電解水素水は柿果皮の黒変を約5分の1まで低減することと、またその作用機序としては、黒変に関与する代謝酵素であるホスホリパーゼに関しては37%、リポキシゲナーゼに関しては33%抑制し、黒変防止効果を発揮するというメカニズムがわかった。今回の栽培試験をもとにした商品価値に関する試算では、電解水素水の潅水により1kg当たりの平均単価を約27%アップさせるという試算結果も得られた。

柿 柿果皮の黒変 農業用電解水素水 パーシモン研究所 日本トリム

左図:ホスホリパーゼ発現への影響
右図:リポキシゲナーゼ発現への影響

今後、電解水素水潅水による栽培の規模を大きくして、柿農家の収益やブランド価値への影響を調査していく。また、果皮の黒変障害は他の果物でも共通して起こる課題であることから他の果樹への電解水素水の潅水も検討したいとしている。

今回の発表内容は、国際園芸学会の学会誌「Acta Horticulturae」へ掲載される予定だ。タイトルは、「The effect of cultivation conditions and electrolyzed hydrogen water treatment on the blackening of persimmon ‘Taishu’ fruit」(和訳:柿 ’太秋’ の果皮黒変に及ぼす栽培条件と電解水素水処理の影響)。

日本トリム