二十世紀ナシのゲノム解析 新品種育成が効率化

2021/03/15

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かずさDNA研究所と京都府立大学は共同で、ナシ品種「二十世紀」のゲノムを解析した。日本梨のゲノム解析は世界で初めて。

日本ナシ「二十世紀」のゲノム情報を利用して、「二十世紀」の誕生の謎とともに良い肉質と食味を有する性質の由来が解明できることへの期待と、今後の品種改良の効率化が期待される。

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二十世紀ナシの果実。(出典/京都府立大学)

「二十世紀」ナシは日本ナシの一種で、100年以上前に千葉県松戸市で発見された。当時の他品種と比べ肉質や食味や良いこと、貯蔵性に優れることから日本全国に栽培が広がり、その名の通り20世紀半ばは国内生産量第一位となり、現在でも梨の生産面積で4位となっている。また、日本ナシの新品種のほとんどは「二十世紀」の子孫。

これまでナシの仲間としては、近縁種の西洋ナシ、中国ナシとリンゴなどのゲノム解析は行われていたが、日本ナシのゲノム解析は行われていなかった。

そこで、長いゲノム配列を連続して読み取る技術(1分子リアルタイムシークエンサーのロングリード技術)を利用し、解読に成功した。約5億塩基対のゲノム配列から44,876個の遺伝子を発見。そのうち7,041個の遺伝子は、西洋ナシと中国ナシなどのデータベースには存在せず、今回の解析によって新たに発見された。

同解析により、日本ナシのゲノムの構造は西洋ナシと中国ナシ、およびリンゴとよく似ていることがわかった。また、ゲノム比較により、2000万~500万年前にリンゴと系統が分岐する以前に起こった全ゲノム重複の痕跡を見つけることができた。

今後、今回の「二十世紀」ナシのゲノム情報を利用して、「二十世紀」の誕生の謎とともに、良い肉質と食味を有する性質の由来の解明と、「二十世紀」が現在の品種育成にどのように活用されたのか明らかにすることで、日本ナシの品種改良を効率化できると期待される。

かずさDNA研究所プレスリリース
かずさDNA研究所
京都府立大学