新規GI登録「河北せり」「清水森ナンバ」の2産品

2021/01/05

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農林水産省は2020年12月23日、「河北せり」、「清水森ナンバ」をGI(地理的表示)登録したと発表した。これでGI登録された産品は105品(内1産品は登録削除)となった。

地域には、伝統的な生産方法や気候・風土・土壌などの生産地等の特性が、品質等の特性に結びついている産品が多く存在している。これらの産品の名称(地理的表示)を知的財産として登録し、保護する制度が「地理的表示保護制度」。

GIへの登録によって、専用のマークを付けることができ、ブランドを守りやすくなる。また、一般認知度が向上したり、市場価値が向上したりと産品の価値が高まることが期待される。

このたびGI登録された2産品の概要は以下の通り。

■河北せり(カホクセリ)

GI登録 河北せり宮城県産品のGI登録は、「みやぎサーモン」、「岩出山凍り豆腐」に次いで3例目。

「河北せり」は、江戸時代から北上山地由来の豊富な伏流水を利用して栽培されており、300年の歴史がある。昭和35年頃に秋から翌年春先までの長期出荷・栽培体系を確立し、昭和57年に茎葉長が他産地よりも長い30cm以上で出荷されている。共販出荷農家数は25戸、共販出荷数量115トンで、県内出荷数量の約2割を占めている(平成30年現在)。

登録生産者団体:河北せり振興協議会
生産地:平成17年3月31日における行政区画名としての宮城県桃生郡河北町(現宮城県石巻市相野谷、中島、皿貝、馬鞍及び小船越)
特性
「河北せり」は、可食部の茎葉長が他産地の一般的なセリと比べて長く、鮮度保持に優れたセリである。茎葉長50cm以上が、全出荷量の約3割を占める。地元石巻では古くから漬物やお浸しで根に近い茎部の食感が好まれてきたため、可食部である茎葉長の長さと太さが市場関係者から評価されてきた。また、丁寧な調製作業や、鮮度保持された優れた外観の茎葉が評価されている。「河北せり」の中でも栽培期間が長い上に収穫期間が短く、鮮度保持が難しい春のセリの生産量は全国でも少なく、石巻市場における春セリの取扱いは「河北せり」のみで、貴重な地元産品となっている。
地域との結び付き
北上山地周辺に広がっている生産地は、北上山地由来の豊富な伏流水に恵まれ、栽培期間中に大量の水を必要とするセリ栽培に適した自然環境である。セリ専用田の深い水深を十分に満たす伏流水が長期間容易に確保できる生産地でセリを栽培することにより、可食部である茎葉長が長いという特性が生まれる。また、収穫後速やかに出荷調製作業を行い、大量の伏流水で丁寧に洗浄して鮮度管理を徹底している。

■清水森ナンバ(シミズモリナンバ)

GI登録 清水森ナンバ青森県産品のGI登録は、「青森カシス」、「十三湖産大和しじみ」、「小川原湖産大和しじみ」、「つるたスチューベン」、「浄法寺漆」、「大鰐温泉もやし」に次いで7例目。トウガラシとしては、「万願寺甘とう」に続く2例目。

「清水森ナンバ」は約400年前、弘前藩初代藩主の津軽為信公が京都から持ち帰ったと伝えらえれ、広く栽培されてきた。平成10年には生産者が1戸だけとなったが、現在では生産者64戸、作付面積約70aまで回復している。

大ぶりで辛み成分がやや少なく、ビタミンCやビタミンEの含有量が他の在来品種よりも多いとされている。

登録生産者団体:在来津軽清水森ナンバブランド確立研究会
生産地:青森県弘前市、平川市、中津軽郡西目屋村、南津軽郡田舎館村及び大鰐町
特性
青森県弘前市周辺で江戸時代から受け継がれてきた、大長型で肩部が張った独特な果形が特徴の弘前在来トウガラシ。辛み成分であるカプサイシノイド含量が少なく、甘みを含んだまろやかな辛みと独特の風味を持ち、他の食材との相性に優れ、香辛料としての用途も多い。
地域との結び付き
収穫期の最高気温がトウガラシの栽培適温と一致し、昭和40年代中頃までは、弘前在来トウガラシの栽培が盛んであった。輸入物の影響により作付けが激減し、平成10年代には、清水森地区の1戸のみとなったが、その後、産官学連携による研究会を設立し、種子の栽培・管理から栽培指導、販売までを連携して行うことにより、徐々に生産が増加した。

農林水産省「地理的表示(GI)保護制度」
参照:GI登録に「富山干柿」と「山形ラ・フランス」が登録
参照:GI新規登録 「西浦みかん寿太郎」など4産品