独自技術で畜産の飼料効率を高め、生産サイクルの短縮化へ

2020/09/23

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山形大学発ベンチャー、アルファテックは、このほど独立系ベンチャーキャピタルより資金調達を行い、既存技術のスケールアップや事業拡大に向けた体制強化を図っていく今後の予定を明らかにした。同社の独自技術を畜産業の飼料分野で展開し、畜産における課題である飼料効率の改善・生産サイクルの短縮化に取り組むとしている。

同社の持つ技術は、山形大学大学院有機材料システム研究科の西岡昭博教授が開発した技術に基づく「温度制御型粉砕技術」。水を使わず穀物を粉砕するだけで瞬時に消化吸収性の高いアルファ化製粉を製造する技術で、2017年には日本応用糖質科学会から「技術開発賞」を授与された技術だ。

アルファ化(非晶化・糊化)とは、でんぷんを水と加熱することででんぷん分子が規則性を失い、糊状(アルファ状)になること。たとえば、炊き立てのご飯はアルファ化した状態で、アルファ化度が高いと消化吸収性が高まる。

(出典:アルファテック)

同社の技術は、水を使わず、穀物を粉砕するだけで瞬時にアルファ化製粉を製造するもので、従来の方法でアルファ化したでんぷんは乾燥や放冷によりベータ化(老化)してしまうが、同社の技術ではアルファ化状態を100%維持できるとしている。

同社によると、畜産飼料の中心である穀類(トウモロコシ、米、麦、大豆など)を、同社の「穀物を粉砕するだけで瞬時にアルファ化殻粉が製造できる温度制御型粉砕技術」で粉砕することで、消化吸収性の高い飼料の製造が可能になり、この飼料を家畜に給餌することで出荷サイクルを短縮できる可能性があるという。

今後は、飼料分野で、子豚用の人工乳、肥育豚用の配合飼料に技術を展開していく考えで、鶏や牛へも展開予定。国内市場だけでなく、海外市場も視野に入れる。

飼料分野の他には、食用分野でグルテンフリー食品をはじめとする食分野も視野に入れる。また、同社技術は、でんぷんだけでなくセルロースにも適用可能なため、バイオマスエネルギー分野での活用も期待しているとし、世界が直面している人口増加に伴う食糧問題・たんぱく質危機に対し、同社技術が解決の一助となるよう取り組むとしている。

アルファテック