有機農業支援型ソーラーシェアリング事業を開始 みんな電力、グリーンシステムコーポレーション

2020/09/10

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みんな電力 グリーンシステムコーポレーション 有機農業支援型ソーラーシェアリング事業

営農型太陽光発電は、発電事業を行う間、太陽光パネルの下部の農地で適切に営農を継続する必要がある。

発電者と生活者をつなぐ電力小売りサービス「顔の見える電力™️」など再生可能エネルギー事業を展開するみんな電力と太陽光発電事業を展開するグリーンシステムコーポレーションは、営農型太陽光発電所で発電した電力を売電することで、有機農業の運営支援につなげる「有機農業支援型ソーラーシェアリング事業」を8月19日より開始した。

同事業は、グリーンシステムコーポレーションが所有する192の太陽光発電者の1つ、栃木県宇都宮市にある営農型太陽光発電所を「阿久津さんの有機小麦太陽光発電所」としそこで発電した電力を、みんな電力と契約している法人の顧客の需要量とみんな電力が開発したブロックチェーン P2P 電力取引システム「ENECTION2.0」により30分ごとにマッチング(※1)し、売電するというもの。

みんな電力 グリーンシステムコーポレーション 有機農業支援型ソーラーシェアリング事業

グリーンシステムコーポレーションでは、営農型太陽光発電施設を活用した畜産業への取り組みも進めるほか、太陽光発電と有機農業を融合した「農業6次産業化プロジェクトと持続可能なSDGs」も推進している。

グリーンシステムコーポレーションでは、太陽光発電と有機農業を融合した「農業6次産業化プロジェクトと持続可能なSDGs」に取り組み、「阿久津さんの有機小麦太陽光発電所」の太陽光パネル下では、生物の生態系に配慮し、無農薬、無化学肥料、無除草剤の有機農法によって小麦を栽培している。

みんな電力 グリーンシステムコーポレーション 有機農業支援型ソーラーシェアリング事業収穫した小麦を使った食パンをグリーンシステムコーポレーションが運営する食パン専門店「風弥」で販売するとともに、再エネ100%で生産された物品を扱うみんな電力のECサイト「Green Dept」での販売、みんなみんな電力と契約する法人と実店舗販売会を企画するなど、仲卸経費などの流通経費を削減しながら、リーズナブルな価格で有機作物を販売する支援を行う。

また、電気料金のうち月額100円を好きな発電所に寄付できるみんな電力の個人客を対象としたサービスを活用し、「阿久津さんの有機小麦太陽光発電所」に寄せられた応援金を有機農業の運営費にあてる予定。

さらに非常用電源として地域に役立つ発電所として、「阿久津さんの有機小麦太陽光発電所」は非常用コンセントを常設し、災害発生時に地域住民が非常用電源として利用できることを想定している。自立分散型社会づくりの一助となる事業を目指す。

みんな電力では本事例をモデルケースとし、2020年度中には、「有機農業支援型ソーラーシェアリング事業」を3件導入(約4,000㎡規模に相当)することを目指す。あわせて他社へのモデル展開ほか非FIT発電所(※2)との取り組みにも注力するとのこと。

また、みんな電力の電力トレーサビリティシステムのノウハウを活用し、農作物の品種や作付日、出荷日などを管理する農作物のトレーサビリティを行い、電力のトラッキングサービスと農作物のトレーサビリティを両立した、次世代のソーラーシェアリング事業の実現を目指すとしている。

今後、新規就農で有機農業をはじめようとしている方は、営農型太陽光発電という経営方法も選択肢の1つとして考えてもいかもしれない。

【参考】
■農業経営の安定・改善が期待される営農型太陽光発電

農地を一時転用し、農業と発電事業を同時に行うソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)は、農業従事者の高齢化や減少、耕作放棄地の増加に加え、2012年の固定価格買取制度導入による太陽光発電の普及により注目を集め、農林水産省による農地転用許可件数は2018年度までに1,992件、560haにのぼる。

営農型太陽光発電は、作物の販売収入に加え、売電による継続的な収入や発電電力の自家利用等による農業経営の改善など、日本の農業における課題解決策として期待されている。

2019年5月には農地転用許可の取扱いを見直し、担い手が営農する場合や荒廃農地を活用する場合等には一時転用許可期間を3年以内から10年以内に延長された。また、取組の展開について、2019年6月に閣議決定された成長戦略フォローアップにも位置づけされ、太陽光を農業生産と発電とで共有する営農型太陽光発電の全国的な展開を図るとしている。
農林水産省「営農型太陽光発電について」

【注釈】
※1:法人の再生可能エネルギーは年間単位の取引が中心となってきたが、みんな電力が開発したブロックチェーン P2P 電力取引システム「ENECTION2.0」では、30分単位で、より精緻に電力のトレーサビリティを行い、 なおかつブロックチェーンを活用し低コストでの電力トレーサビリティを実現した。

※2:固定価格買取制度(通称:FIT法)に認可された再生可能エネルギー発電所をFIT発電所、FIT法に属さない再生可能エネルギー発電所を非FIT発電所という。日本国内においてFIT発電所で発電された電気は、再生可能エネルギー100%の電気として認められていない。最近では「RE100」(事業運営を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟するイニシアチブ)に加盟する企業も増えつつあり、今後、非FIT発電所が発電する再生可能エネルギー100%の電力の需要が高まることが予想される。

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