レーザー光で害虫駆除も可能 飛行パターン予測

2021/12/14

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農研機構は、害虫の飛翔位置を予測できる方法を開発した。カメラの画像から飛翔害虫の3次元位置を検出し、その動きを予測する。予測された位置に高出力レーザーを照射するなど、害虫を駆除する新しい害虫防除システムの開発への貢献が期待される。

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シミュレータ上を飛行する複数のハスモンヨトウのうち1匹にレーザーを照射した様子。シミュレータには害虫の飛行モデル、予測方法、レーザー照射方向制御が組み込まれている。実際の撮影実験とシミュレーションを組み合わせて効率的なシステム開発を行っている。(出典:農研機構)

空中をすばやく飛び回る害虫を効率的に駆除することは既存の防除技術では不可能。これを可能にする画期的な物理的手法として、害虫を高出力レーザーなどで駆除する技術開発が進められているが、その実現にはピンポイントで害虫の位置を把握するとともに、検出から駆除までのタイムラグを解消する必要がある。

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レーザー狙撃による害虫防除システムの概略(イメージ)。カメラで害虫を検出し、予測した害虫の位置に向けてレーザーを照射する。(出典:農研機構)

そこで今回、農研機構では、代表的な農業害虫であるハスモンヨトウの飛翔をステレオカメラで撮影し、3次元の位置を計測し、飛行パターンを調べた。次に、得られた飛行パターンをモデル化し、リアルタイムの画像から数ステップ先(0.03秒先)の位置を1.4cm程度の精度で予測できる方法を新たに開発した。

同成果は、空中を飛翔する害虫の3次元における位置を昼夜問わずに予測が可能だ。これに駆除技術を組み合わせることで、リアルタイムでのピンポイントの駆除を実現し、環境保全と駆除・防除の両立を加速させることができる。害虫被害ゼロコンソーシアムでは、2025年までに、同手法で予測した位置にレーザーを照射して害虫を駆除する技術の実用化を目指している。将来的には、車両やドローンなどの無人移動ロボットなどに搭載し、人的労力ゼロで害虫などによる被害を抑制するための基盤技術となることが期待される。

害虫飛行位置予測方法と害虫駆除イメージの動画が公開されている。
動画はこちら

農研機構リリース
農研機構