S.lycopersiciによるバレイショの病害

2021/11/01

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熊本県病害虫防除所は、「Stemphylium lycopersici」によるバレイショの病害を県内で確認し、これを受け、10月27日に病害虫発生予察特殊報第1号を発令した。

病害虫 病害虫発生予察特殊報 Stemphylium lycopersici

写真左:複葉に生じた褐色病斑。(出展:熊本県病害虫防除所)
写真右:「S.lycopersici」の分生子。(出展:農林水産省門司植物防疫所)

3月に県内のバレイショ栽培圃場において、複葉に、内部が淡褐色でやや陥没した、周囲が暗褐色の不定形斑紋が発生した株が広範囲に渡って多数確認された。現地圃場から当該株を採取し、農林水産省門司植物防疫所に同定依頼した結果、「Stemphylium lycopersici」(以下「S.lycopersici」)による病害であることが判明した。

「S.lycopersici」病原菌は、トマト斑点病を引き起こす病原菌として知られているが、同病原菌によるバレイショでの病害の発生は日本国内ではまだ報告されていなかった。なお、中国では2018年に同病原菌によるバレイショでの病害の発生が報告されている。

「S.lycopersici」病原菌の特徴としては、はじめ葉に、周囲が黄色に縁どられた褐色の斑点が生じる。その後、斑点は直径2~10mmほどの病斑に進展し、葉の病斑部は壊死する。

同防除所では以下の防除対策を呼びかけている。
(1)現在、バレイショの本病害に対する登録農薬はないため耕種的防除※1を行う。
(2)り病葉やり病残さは伝染源となる恐れがあるため、圃場外へ持ち出し適切に処分する。
(3)圃場の排水を良くし、圃場内の多湿を避ける。
(※1:耕種的防除法とは、作物の栽培法、品種あるいは圃場の環境条件などを適切に選択して、病害虫が発生しにくい条件を整え、発生抑制や被害軽減を行う方法。作物や環境が本来有している病害虫の発生を抑制する作用を効果的に活用する技術で、環境や農作物などに対して高い安全性を保てる。)

熊本県病害虫防除所