農業向けスポンジ資材専門サイトを公開
2022/02/22
軟質ウレタンフォームなど軟らかいスポンジ素材を全国に向けて製造販売する富士ゴム産業は、スポンジ加工のノウハウをもとに、農業向けスポンジ資材の専門サイト「水耕栽培スポンジホームセンター」を公開した。
●水耕栽培スポンジホームセンター:https://suikosaibai-shc.jp/
同社は創業61年に渡り、軟質ウレタンフォームなど軟らかいクッション材を加工し、ソファー芯材などのような身近な物や、ボルダリング用スポーツマットの加工販売などもしている。スポンジは、水耕栽培や植物工場での栽培に必要不可欠な資材。また、野菜や果物を保護するクッション材「ウレタンシート」としても広く利用されており、農業資材として身近なものだ。そんな同社が農業向けスポンジ資材の専門サイトを立ち上げた背景には、植物工場の必要性の高まりを感じたことからだという。
植物工場自体は30年ほど前から研究されているが、近年の気候変動などの問題が植物工場の必要性を高め、より一層注目され始めている。
農業は、自然の中に畑を作ることから始まり(第一の農業)、太陽光や熱を効果的に利用する温室栽培(第二の農業)によって、トマトなどが季節にかかわらず、年中食べられるようになった。そして、第三の農業として考えられてきたのが屋内で農作物を育てる方法。ここには温室栽培で培われた技術や、土を使わずに養分の入った水で植物を育てる養液栽培などの技術が活かされている。
農産物の市場価格は、異常気象や気候条件などによって左右され安定生産・安定供給が難しく、それは価格に影響する。しかし、人工的な環境で栽培する植物工場ではそうした心配がなく、常に一定の価格で供給することが可能になる。
一方で、植物工場にはコストの問題が課題となっている。屋内では人工的に光を作ったり、空調を行うなどエネルギーコストや、その他にも野菜を育てるための設備費や管理費などさまざまなコストがかかってくる。

新商品の水耕栽培スポンジ 黒。
同社は直接、農業従事者とつながることで少しでもコスト問題の削減につなげようとスポンジで農業を盛り上げる。新サイト公開にあたり、新商品で黒色の水耕栽培スポンジの取り扱いを開始。通常の白色の水耕栽培スポンジよりも生育スピードや藻や菌への耐性の向上が期待される。
同サイトでは、水耕栽培・植物工場向け商品と果物・野菜用クッションの商品が紹介されている。また、要望にあわせたオリジナルのスポンジも製作するとのことで、スポンジでの困りごとを解決し農家をサポートしていく。