農水省、大雪被害に支援策ハウス再建などに補助

2021/02/04

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2020年12月からの大雪で東北、北陸地方を中心に北海道、関東、東海、近畿、中国、四国、九州でも農業用ハウスや畜舎などの倒壊、果樹の枝折れ、倒伏など多くの被害が発生している。

農林水産省(以下農水省)が2月3日18時現在でまとめた大雪による農林水産関係の被害額は91.9億円と発表した。

農水省によると、大雪による農林水産関係の被害は、現在27道府県から被害報告がある。

報告された被害は、農作物等の被害は239.0haで被害額は3.7億円。21道府県でトマト、ネギ、ホウレンソウ、ダイコン、セリ、アスパラ菜、八色菜、ブロッコリー、水菜、小松菜、シイタケ、キュウリ、ナス、キャベツ、イチゴ、リンゴ、モモ、花キ等の被害が報告されている。

樹体は、192.8haで被害額は0.6億円。岩手など5県からサクランボ、リンゴ、モモ、ブドウ、ナシ等。

家畜は2万2605頭で被害(被害額0.5億円)があり、生乳の廃棄は1トンとなっている。

農業用ハウスは26道府県で1万2287件が被害を受け、被害額は71.7億円にのぼっている。そのほか農業用倉庫・処理加工で432件、畜産用施設で358件、共同利用施設で317件などの被害となっている。

農業関係の被害額は計89.7億円となっている。そのほか林野関係で今のところ2.1億円の被害があり、さらに水産関係の被害額を調査している。

ハウスの早期再建に補助など支援策決定

こうした被災農業への支援策を2月2日に公表した。

農林水産省 2020-2021大雪被害 支援策 農業

(出典:農林水産省「令和2年から3年までの冬期の大雪に係る支援対策のポイント」)

今回の支援対策では一日も早い経営再建に向け、
・共済金の早期支払い、収入保険のつなぎ融資等の措置
・被災した農業用ハウスや畜舎などの再建・修繕と、あわせて行う撤去に必要な経費など
・農業用ハウスや畜舎等の事前着工や査定前着工制度の活用による早期復旧
・農産物被害にともなう追加的な防除・施肥、種子・種苗・融雪剤などの確保に必要な経費
・果樹の枝折れの修復や倒伏にともなう植替えに必要な経費
などが支援策の柱となる。また、周辺の育苗施設から被災地域へ水稲などの種苗を融通するための輸送経費も支援する。

●農業ハウスの再建・修繕など

農業ハウスの再建・修繕への支援の1つは、市町村が事業主体となり、人・農地プランで中心的経営体に位置づけられた担い手が支援対象となる「強い農業・担い手づくり総合支援交付金(地域担い手育成支援タイプ)」の活用。国の補助率は3割だが、園芸施設共済の国の負担分を合わせれば最大5割となる。補助上限額は1経営体あたり600万円。被災ハウスは優先的に採択するとしている。

同交付金では、暴風雪等に強い耐候性ハウスをJAなどが導入する費用も、補助率5割以内で支援する。低コスト耐候ハウスは、骨組みに鉄骨や角パイプをハウスで、接合部分の改良によって従来の鉄骨ハウスよりコストを抑え、しかも耐候性を向上させた。耐雪重は50kg/m3だという。整備費用は1100万円~1500万円/10a。

もう1つは、「持続的生産強化対策事業(産地緊急支援対策)」を活用するもの。農業者が組織する団体が支援対象で3戸以上の農家が支援対象。自力施行を想定しているため施行費は支援対象外だが、資材費を5割以内を補助する。被災したハウスの処分費用も対象(解体費用は対象外)で被災したハウスの補強や融雪パイプの導入も対象となる。迅速な支援に向け、事業計画の承認手続き前でも着工できるようにする。

いずれも支援対象となるのは園芸施設共済や民間の建物共済、損害補償などに加入することが要件となる。

●農作物向け

ハウス内の農作物の損傷や育苗ハウスの倒壊を受け、早期営農再開に必要な種子・種苗・融雪剤などの消費材については、購入経費を5割以内で支援する(作業委託費および農業機械等レンタル経費も含まれる)。

その他、
・作物残さ等の撤去などの必要な掛かり増し経費を1,500円/10a以内。
・追加的に必要となる薬剤および肥料の購入費、土壌診断に必要な掛かり増し経費を5割以内。
・乾燥調製施設等についての仮復旧費の5割以内。
・周辺の育苗施設から被災地域への種苗の融通に必要な輸送経費、1トンあたり7,000円以内
を支援する。

●果樹向け

果樹対策では、枝折れの修復資材や融雪剤などの確保に必要な経費や果樹棚の再建に必要な資材の確保に要する経費等を5割以内で支援する。

また、植替えを行う園地には、以下のような支援を行う。
慣行樹形:リンゴ、ブドウ、オウトウ、ナシ、モモ等は10a当たり17万円、柑橘類等は同23万円
省力樹形:
リンゴの超高密植栽培には10a当たり73万円、新わい化栽培には同53万円
ブドウ、ナシ、モモ等の根域制限栽培には同100万円
柑橘類の根域制限栽培には同111万円
ナシのジョイント栽培等には同33万円

植替えで生じる未収益期間に対しては、幼木管理に必要な肥料・農薬代など10a当たり22万円を支援する。

その他、詳細は農水省HPで確認してほしい。

農水省では万一に備える園芸施設共済や、品目ごとではなく農業者の収入全体を対象として、自然災害による収量減や、価格低下などの収入減を一定程度、補てんする収入保険への加入を呼びかけている。

農林水産省「令和2年から3年までの冬期の大雪に関する情報」
農林水産省