親元・第三者問わず経営継承に最大150万円を支援 「経営継承・発展等支援事業」

2020/10/20

  • facebookでシェアする
  • twitterでシェアする
  • LINEでシェアする
  • はてなブックマークでシェアする

農林水産省は9月30日、2021年度(令和3年度)農林水産予算概算要求の概要を取りまとめて発表した。

そのなかで「経営継承・発展等支援事業」として、54億7500万円を計上した。この事業は、農家の経営継承に最大150万円を支援するという新たな取り組み。概要は以下の通り。

・後継者が経営発展の計画を策定し経営継承→経営継承時に定額100万円を交付
・後継者候補が就農し、経営継承の準備→外部研修などの経費を上限50万円を支援
※ともに国、市町村が50%ずつ負担

地域の中心的な経営体等の後継者が、経営発展に向けた計画を策定して継承した場合、経営継承時に100万円を交付する。このほか、外部研修等の経営継承の準備を行う場合に、必要な経費も50万円を上限に支援する。この継承には、親子間の継承か、第三者の継承かは問わない。

事業イメージ。(出典:農林水産省「令和3年度農林水産予算概算要求の概要」(https://www.maff.go.jp/j/budget/r3yokyu.html))

100万円の交付は、人・農地プランに位置付けられた「地域の中心的経営体」などの後継者が対象。畜産も含む。経営継承後の経営発展に向けた、販路の開拓・GAP等の認証取得・新品種の導入・営農の省力化・デジタル技術の活用・経営管理の高度化などといった計画を策定し、経営継承した際に、国と市町村で50万円ずつを定額で交付する。

上限50万円の支援は、地域の中心経営体等に後継者候補が就農する場合が対象となる。外部研修等の経営継承の準備を行う場合に必要な経費を、国と市町村がそれぞれ50%ずつ負担し、50万円を上限に支援する。

また、本事業の事務局を担う民間団体等や市町村の事務費として別に5億2000万円も計上している。

農業者の一層の高齢化と減少が急速に進むことが見込まれる中、将来にわたって地域の農地利用等を担う経営体を確保するため、親元就農の場合を含め、円滑な経営継承を促したい考え。事業目標としては、2023年度までに担い手が利用する面積が全農地面積の8割となるよう農地集積を推進するとしている。

【参考】
2021年度(令和3年度)農林水産予算概算要求の概要では、予算は今年度当初比20%増加の2兆7734億円が計上されており、以下の8つの重点項目で構成されている。総額分については農林水産業の「スマート産業化」や「輸出拡大」等に関連する事業に大きく割り振られている。8つの重点項目中7つの項目に「コロナ」という言葉が使われており、農林水産の分野でもこの問題への対策が来年度の最重要課題であることが伺える。

①生産基盤の強化と経営所得安定対策の着実な実施~コロナ禍でも揺るがない生産基盤・セーフティネットの構築~
②スマート農業・DX・技術開発の推進、食に対する理解の醸成~コロナと共存する生活・生産様式への転換~
③5兆円目標の実現に向けた農林水産物・食品の輸出力強化と高付加価値化~コロナを契機とした需要変化への対応と流通の革新~
④農業農村整備、農地集積・集約化、担い手確保・経営継承の推進~コロナを契機とした地方での事業・雇用の創出~
⑤食の安全と消費者の信頼確保~家畜伝染病の発生予防対策等の強化と食の安全確保~
⑥農山漁村の活性化~コロナを契機とした都市部から地方への移住を促す環境の整備~
⑦森林資源の適切な管理と林業の成長産業化の実現~コロナを契機とした山村での事業・雇用と定住環境の創出~
⑧水産資源の適切な管理と水産業の成長産業化の実現~コロナ禍でも揺るがない生産基盤・セーフティネットの構築~

農林水産省「令和3年度農林水産予算概算要求の概要」
農林水産省