温暖地向け豆乳用大豆の新品種「すみさやか」育成

2021/09/24

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農研機構は、温暖地向け豆乳用大豆品種「すみさやか」を育成した。子実中の青臭みの原因となる酵素であるリポキシゲナーゼとえぐ味の原因とされるグループAアセチルサポニンを欠失しているため、同品種を原料とした豆乳は青臭みやえぐ味が少なく、すっきりした味わいになるとのこと。

温暖地向け豆乳用大豆品種 新品種 農研機構 すみさやか

写真左が「すみさやか」の子実。右は「フクユタカ」。(出典:農研機構)

食用大豆の需要量は100万トン程度で推移しているが、このうち豆乳用の需要量は約6%。近年の消費者の健康志向の高まりや技術改良による品質向上を受け、2020年の豆乳等生産量は1990年の約15倍となる43万kLに増え、今後も増加傾向が続くと見込まれており、豆乳用国産大豆の安定供給が求められている。

農研機構では、豆乳加工適正に優れた子実中の青臭みの原因となる酵素であるリポキシゲナーゼとえぐ味の原因とされるグループAアセチルサポニンを欠失している豆乳用品種として「きぬさやか」を育成し、実需者から好評を得て、増産および安定供給が要望されているという。しかし、「きぬさやか」の栽培特性から寒冷地以外の産地を確保することが困難であるため、温暖地での栽培が可能な新品種の開発が求められていた。

そこで農研機構西日本農業研究センターで育成されたのが関東以西の栽培に適した「すみさやか」だ。

「すみさやか」は、豆腐用主要品種「フクユタカ」を母、「フクユタカ」にグループAアセチルサポニン欠失を導入した戻し交雑系統とリポキシゲナーゼ全欠の「エルスター」を交配し得られたF1個体を父とする人工交配から系統を選抜して育成された。

温暖地向け豆乳用大豆品種 新品種 農研機構 すみさやか

写真左が「すみさやか」の草本。右は「フクユタカ」。(出典:農研機構)

「すみさやか」の成熟期や栽培適地、茎の長さ、子実重、子実の品質等の特性は「フクユタカ」と似ているが、子実の臍(へそ)の色は「すみさやか」の“黄”に対して「フクユタカ」は“淡褐”と異なり、子実の外観で識別できる。

滋賀県で契約栽培が行われており、生産物は豆乳原料として利用されている。当面の普及見込み面積は数百ヘクタールで、今後さらに作付面積の拡大が期待される。

農研機構・温暖地向け豆乳用大豆品種「すみさやか」
農研機構