アボカド栽培のコツ

鹿児島県日置市で栽培実績10年の苗木農家が伝授!

短大時代にゆす村農園有限会社を立ち上げた鹿児島県日置市の東 愛理氏は、珍しい品種を含めた約40種ものアボカド苗木を生産し、全国へ販売している。国産アボカドの普及をめざす苗木農家がアボカド栽培をアドバイス。

農業ビジネスベジVol.25(2019年春号)より転載

写真/川内良一

2020/12/11

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苗木のハウスはビニールを三重にして保温。真冬でも暖房は0℃以下になりそうな夜間だけで済んでいる。

POINT 1

水はけのよい場所を選ぶ

アボカドは湿度の高い土壌が非常に苦手。水田からの転換は、かなり盛土をするなどの対策が必要で、あまりおすすめできない。

「川など流水の近くは大丈夫。県内にある毎年よく実をつける樹齢40年ほどのアボカドは、川のすぐ脇の砂地に立っています。根を伸ばせば川の水に届くのでかん水も必要なく、理想的な環境です」

POINT 2

必ず冬越し対策をする

「この冬みたいな温暖な気候が続くなら、アボカドも作りやすいんですが」

ゆす村農園の苗木のハウスがある日置市伊集院町は標高が高い。冬はしばしば積雪しマイナス6℃以下になるが、今年はそこまでいかず雪もわずかだった。

しかし昨年までの5〜6年は何度か極端な寒波が襲来。薩摩半島最南端にある指宿市の農場でも、露地栽培のアボカド品種の多くが枯れた。より耐寒性の強い品種を補植し、木のほうも生長とともに耐寒性を増して、3年前から収穫を迎えているという。

「暖冬の翌年、つい前年の感覚で越冬させてつまずく人が多い」と東氏。耐寒性がマイナス4℃の品種でも、木が若いうちは十分な耐寒性を発揮できない。木の周囲を防風ネットで囲むなど、基本的な冬越し対策を必ず行ってほしいと言う。4〜6年生になれば耐寒性がついてくる。

「平均気温が上がっても、スポット的に極端に冷える日も増えています。一昨年は5月に台風が発生しました。温暖化の影響はさまざまな形で出るので、私たちも気を抜かないよう気をつけています」

POINT 3

夏は成木にもかん水を

「1本ずつホースで水を掛ける作業は夏には重労働。そこで実験的に、露地栽培の成木にはかん水をしないで夏を越してみました」

すると数年間の寒波にも耐えた直径15㎝を越える成木が、すっかり衰弱。逆にかん水をしていた若木は元気に冬を越した。

「長年かなりの実を成らせてくれた成木がこれほど弱るとは。夏のかん水の重要性を痛感しました。生長が旺盛な夏場には、雨だけに頼らず必ず水をやってください」

大事なのは最初の数年。よい場所に根付かせ、冬越し対策と夏のかん水に気をつければ、あまり手がかからず何十年も収穫できる。

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