いま国産アボカドが熱い!  西日本で高まる産地化

国内のアボカド需要は右肩上がり。
供給はメキシコなどからの輸入が100%近くを占めるが、10年ほど前から国産アボカドの栽培熱が高まっている。
輸入ものにはない良食味の品種も多く、割高ながら国産ファンを獲得している。

日本のアボカド栽培は、どんな条件なら成功するのか? 2008年から約40品種のアボカドを栽培し、全国へ向けて苗木の生産・販売を行うゆす村農園(鹿児島県日置市)代表の東氏が解説する。

農業ビジネスベジVol.25(2019年春号)より転載

写真/川内良一

2020/12/11

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ゆす村農園有限会社 東 愛理氏

アボカドをはじめライチ、マンゴー、アテモヤなどの亜熱帯果樹の苗木を生産し、鹿児島県内外に販売。珍しい果樹は栽培のアドバイスも行う。年間出荷約1000鉢の6割はプロ向け。苗木の通信販売はホームページ(https://www.yusumura.com/)から。

アボカド栽培の条件と地域別おすすめ品種

アボカドは、おいしく健康にもよい食品として注目され、わが国でも消費が増えています。亜熱帯果樹に分類されますが、比較的耐寒性もあり、温暖な場所では露地栽培もできます。最近ではアボカドに興味を持ち、栽培に挑戦する方も増えてきました。アボカド栽培にチャレンジするため、まず大切になる「品種の選び方」についてご紹介しましょう。

アボカド品種の系統

アボカドの原産地は中米とされ、その原産地から分類すると大きく3つの系統(メキシコ系、グアテマラ系、西インド諸島系)に分けられます。現在では、世界各地で栽培されており、3つの系統間の雑種も多く誕生し、数百以上の品種があるといわれています。

メキシコ系の品種は、耐寒温度がマイナス6℃前後と耐寒性が強いのが特徴です。果実の大きさは100g前後とやや小玉。収穫時期は早く、10〜11月頃です。果皮は滑らかで光沢があり、成熟すると柴黒色に着色します。果肉の色は淡い黄色で、アニスの香りがあります。

メキシコ系とグアテマラ系の交雑種にも比較的耐寒性が強いものがあり、マイナス4℃前後まで耐えます。果実は200〜300gほど。果皮は比較的滑らかで、成熟期になっても緑色のままのものが多いです。果肉は黄白色で香りがよく、食味が優れています。収穫時期は11〜12月頃。

グアテマラ系の品種は、耐寒温度がマイナス2℃前後、果実の大きさは品種によって異なり、大きいものでは500gほどになります。果皮は、ワニ皮のようにごつごつとしたものが多く、アボカドの別名「アリゲーターペアー(鰐梨)」の語源にもなっています。果肉は黄白色で、油分が多く、味わいが濃厚なものが多いです。収穫時期はやや遅く、1〜5月頃です。

西インド諸島系の品種は寒さに弱く、耐寒温度は0℃前後です。果実は500g前後から、大きいものは1㎏以上になります。果実の形も丸形や、洋ナシ形、ヒョウタン形、ヘチマ形などさまざま。果皮は滑らかで、光沢があり、成熟期になっても緑色のままのものが多いです。油分は少なく、食味はあっさりしていますが、サラダ料理やカリフォルニア巻き、ジュース用などに適しています。収穫時期は早く、9〜12月頃です。

グアテマラ系と西インド諸島系の交雑種にも品質の優れた品種が数多くあります。両親の良いところを受け継いで、500〜700g程度の大玉で、油分が多く食味は濃厚です。ハワイでは日系人の方がさまざまな品種を育成し、「ヤマガタ」や「フジカワ」など、育成者の名前が品種名となっています。耐寒性はマイナス1〜0℃前後です。

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