注文から1時間で野菜を届ける宮崎発 新しい八百屋の自社配送

東京の渋谷駅から徒歩約12分、白いのれんに大きな「ベジ」の文字が目を引く小さな店がある。
スタイリッシュな内装の店内に並ぶのは、宮崎県を中心に産地から直送されてきた野菜や果物だ。
弱冠27歳の起業家が率いる株式会社ベジオベジコは、
この店を拠点に、都内の顧客1日平均100軒以上に野菜を自社配達する。

農業ビジネスベジVol.26(2019年夏号)より転載

写真/服部健太郎、㈱ベジオベジコ

2020/07/29

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ベジオベジコ渋谷店は2018年12月にオープン。斬新なのれんが目を引く。

配送手段は自転車とバイク

スマホを使った産地直送野菜の販売は今や珍しいものではない。しかし、株式会社ベジオベジコの生鮮食品通販アプリ「VEGERY」は、注文してから早ければ1時間で家まで届くという画期的なサービスで、都内の顧客を伸ばしている。

都内に4カ所の配送拠点を持ち、配達は自転車と三輪バイクに保冷バッグをのせて行う。配送地域は拠点から半径2〜4キロメートルほどで、現在渋谷区、世田谷区、江東区をはじめ15区へ配送を実施。拠点のうち、渋谷と根津の2ヵ所には八百屋の実店舗を構え、店頭販売も行う。自社配送の送料は1回390円。現在約30名のスタッフが配送を行っており、需要の高いエリアでは、1日平均100軒以上への配達を行う。

顧客までのラストワンマイル配送を自転車とバイクで行う理由は、渋滞などの影響を受けにくく、近距離ならば車よりも機動力を発揮するから。目指しているのは、気軽に利用できる、サザエさんに出てくるような「三河屋」の現代アップデート版だ。配達する時間は1時間単位で指定でき、混みあっていなければ注文から1時間での配達も可能だ。待ち時間を少なくすることで、再配達の発生を防ぎ、顧客は利用のハードルが低くなる。

顧客と直接コミュニケーションがとれるのも自社配送をする大きなメリットだ。肉やタマゴの取り扱いを求める客の声を受けて、初めは青果だけだった商品のラインナップを広げた。客から商品の感想を聞いて、それを農家に伝えることができるし、野菜のおすすめ調理法を配達スタッフが客に教えることもできる。

現在、青果、肉、タマゴ、加工品などを扱い、青果は約8割が宮崎県産のものだ。30代〜40代の女性の利用者が大半で、1回の購入額はおよそ2千円〜2万円とバラつきがあるが、なんと新規客のリピート率は約6割にのぼる。

祖父の農業資材店で幼少期から育ち、昔から農業に縁があったというベジオベジコ代表の平林聡一朗氏。「流通コストを下げることで、より農家さんに利益を還元できるようになった。事業を通して農家をハッピーにするのがテーマです」。

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