ワインブドウの花をカウンティングするAIの研究開発に成功 静岡大学 実圃場で夜間に撮影した画像から高精度に

2022/06/10

  • facebookでシェアする
  • twitterでシェアする
  • LINEでシェアする
  • はてなブックマークでシェアする

静岡大学の峰野研究室ではヤマハ発動機と連携し、屋外の農地で栽培されるワインブドウの多数の小さな花を高精度にカウンティングするAI(人工知能)の研究開発に成功した。

高品質なワインブドウの収量を生育の早い段階で見積もるには、開花の段階でどれだけの花が咲いているのか把握することがとても重要。また、多く結実させると品質が落ちる可能性があるため、余分な花を取り除く作業も高品質なワインの生産には欠かせない作業だ。

ワインブドウ AI スマート農業 ブドウの花を自動カウント

図1 データ収集の様子(中伊豆ワイナリーヒルズにて)。

峰野研究室ではヤマハ発動機と連携し、ワインブドウ圃場(図1)で高精細カメラを搭載した小型移動車両を用いて照明をあてて夜間に撮影された動画から、ワインブドウの多数の小さな花を高精度にカウンティングする技術を研究開発した。

ワインブドウ AI スマート農業 ブドウの花を自動カウント

図2 AIを用いた2ステップでの高精度なカウンティング手法。

具体的には、オーバーラップするようなパッチ画像を切り出してまずは花を含む領域を特定し、次のステップで個々の花を検出するという2ステップで処理を行っている(図2)。

ワインブドウ AI スマート農業 ブドウの花を自動カウント

図3 高精度な花の検出結果(ステップ2)。

特に、さまざまな加工を加えてデータ量を増幅し精度を向上させる技術を推論時にも適用することで、夜間に撮影された薄暗い画像やぼやけた画像でも高精度な検出を実現した(図3)。

ワインブドウ AI スマート農業 ブドウの花を自動カウント

図4 花のカウンティング精度の比較。

メルロー、ソーヴィニヨン・ブラン、ジンファンデルといった異なるワインブドウ品種であっても、既存技術では75%程度だったカウンティング性能を90%まで向上させることに成功している(図4)。

本技術は、ワインブドウの花だけでなく、複雑背景下でも多数の小さな部位を高精度にカウンティングする用途に応用できる。今後、本技術の実用化を目指し、長年の経験と勘に基づいて習得したノウハウの効率的な継承や、AIとの協働による負担軽減、持続可能な地域社会の実現を目指していく。

同研究成果は、Computers and Electronics in Agriculture誌に掲載された。

静岡大学