スマホ撮影画像とAIでイチゴの高精度生育解析

2021/06/17

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キヤノンマーケティングジャパングループのキヤノンITソリューションズ(以下キヤノンITS)は、令和元年度から令和2年度にかけて実施したスマート農業技術の開発・実証プロジェクト「阿蘇イチゴスマート農業実証コンソーシアム(代表機関:農研機構九州沖縄農業研究センター)」の検証実験結果を公開した。

同プロジェクトの中でキヤノンITSは、「阿蘇イチゴスマート農業実証コンソーシアム(課題番号:19189416)」の実証グループに参画。同事業では、促成イチゴ栽培におけるハウス内環境および作物生育情報を活用しながら、局所適時環境調節による省エネでの多収安定生産の実現と、自動選別パック詰めロボットを活用した出荷調整作業の省力化の検証を行った。

キヤノンITS 遠隔業務支援サービス VisualBrain イチゴ AI 高精度生育解析 スマート農業その中でキヤノンITSは、映像情報から現在までのイチゴの生育状況を数値化および未来の収穫量を予測する「イチゴ生育画像解析システム」と、遠隔業務支援サービス「VisualBrain」により、スマートフォンと画像情報を用いたイチゴの花数・果実熟度・葉面積の「生育特徴量計測技術」の実証実験を行った。生育特徴量計測技術は、イチゴの生育画像からAIが花の数や果実の生育ステージなどを自動判別し、生育状況の指標として定量化するものという。

実証実験が行われた熊本県阿蘇市は、イチゴの中・大規模栽培において、雇用労働力を有効活用することで高収益を維持しながら営農されており、全量共同選果による販売の実現と生産者の負担軽減を進めている先進産地。さらなるイチゴ生産拡大と収益力向上を図るため、スマート生産技術と共同選果施設を活用した、生産から出荷までの多収省力型一貫体系を目指している。

同実証実験では、九州沖縄農業研究センター内のイチゴ品種「恋みのり」、「さがほのか」の生育状況をスマートフォンにて一定期間にわたり撮影し、解析に適した高精細かつ定点の画像データを収集。キヤノンITSは、イチゴ生育画像解析システムを使った画像解析で得られたデータを「VisualBrain」を通じてクラウドシステムに蓄積し、遠隔から現地の映像や解析結果を閲覧できる環境を構築した。

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評価:果実熟度の自動計測の精度
※生育特徴量計測の精度は、果実の生育ステージと検出位置の両方が正しく判定できた場合に正解とし、適合率と再現率の調和平均値で評価。値が高いほど精度が良い。
※接写して撮影(果実をより大きく撮影)したことで、生育特徴量の計測精度が向上できた。

スマートフォンでの簡易な生育解析として実証したところ、2品種の花数、果実熟度、葉面積の生育特徴量の自動計測精度は90%以上を達成した。これにより、①多くの人が普段から持っているスマートフォンのカメラ機能を使って、初期費用を抑えた生育解析が可能、②スマートフォンは高精細画像の撮影ができるため、高精度な生育解析が可能、の2点を確認することができた。

またキヤノンITSは、農林水産省委託事業「令和3年度スマート農業技術の開発・実証プロジェクト」にも採択されており、次回のプロジェクト「阿蘇イチゴ輸出スマート農業実証コンソーシアム」(課題番号:21451798)では、イチゴ生育画像解析システムおよび「VisualBrain」を活用したスマートフォンによる生育計測から収量予測、農業熟練者による映像共有を活用した遠隔指導や農作物のリモート審査の実証実験を開始する予定だ。

キヤノンITSは、2015年よりカメラとAIを活用したスマート農業技術の研究開発に取り組んでおり、イチゴ栽培において、花や実の数、葉の大きさ・色などの生育情報をICT技術を用いて数値化するAIを開発したという。さらにこの情報に温度や湿度などの環境データを組み合わせることで、マルチモーダルな情報をもとにした収穫量予測AIの開発に取り組むとしている。

【実証実験概要】
内容:スマートフォンを活用したイチゴの生育特徴量計測技術の検証
試験場所:九州沖縄農業研究センター 久留米事業場
実施期間:2021年1月18日~2021年2月8日
イチゴの品種:恋みのり、さがほのか
集計単位:重量と果実数

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