収穫ロボットのプロトタイプを共同開発 農研機構

2021/01/06

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農研機構 立命館大学 デンソー 果実収穫ロボット

ニホンナシV字ジョイント樹を収穫中の収穫ロボットプロトタイプ。

農研機構と立命館大学、デンソーは2020年12月23日、人とほぼ同じ速度でリンゴやナシを自動で収穫する果実収穫ロボットのプロトタイプを開発したと発表した。果実生産の大幅な省力化に向けた実証研究を進め、実用化を目指す。

3者は、果樹生産の担い手の減少と高齢化に対応するため、作業の大幅な省力化に向けた作業用機械の自動化・ロボット化と機械化に適した樹形の開発を推進している。具体的には、カンキツ、リンゴなど果樹9品目において、作業の自動化・機械化が容易なV字樹形などの列状密植樹形を開発するとともに、V字樹形に合わせてさまざまな作業に利用できる自動走行車両や収穫ロボットの開発を進めてきた。

今回開発した収穫ロボットのプロトタイプは、V字樹形のリンゴ、ニホンナシ、セイヨウナシに対応。自動走行車両にけん引されながら、2本のアームで果実の収穫を行う。収穫した果実は自動走行車両の荷台に設置した果実収納コンテナシステムに送られ、果実収納コンテナシステムではコンテナが果実で一杯になると、空のコンテナと自動で交換しながら自動収穫を継続する。果実1個当たりの収穫速度は人とほぼ同等の11秒となっている。

農研機構 立命館大学 デンソー 果実収穫ロボット

果実収穫ロボットの各部。

人工知能を活用し、ロボットアームの土台にある2つの高性能カメラで果実を認識。二ホンナシでは、熟成期に達した果実のみを判定できる。果実をつかむハンドは3つの爪で構成され、果実を傷つけないよう、ハンドを回転させながら収穫する。

農研機構 立命館大学 デンソー 果実収穫ロボット

ディープラーニングによる果実認識(ニホンナシV字ジョイント樹形)。
画像の□部分は認識に成功した果実。青と赤の◎は、ていあ部(果頂部、果実の尻の窪んだ部分)の果皮色から収穫適期を判断するためのていあ部の認識。Cam1~Cam4の画像は、収穫ロボットに取り付けられた4台のカメラが同時に撮影したそれぞれの画像。1つの画像中の果実の番号は、1つのカメラが認識した果実の通し番号。

移動時は、自動収穫ロボットに取り付けたカメラ画像・距離画像から次に収穫する枝の果実を認識。車両の移動量を指示することで、自動移動を開始し、樹冠下の最適な位置から自動収穫を行う。

収穫ロボット開発では、立命館大学が果実認識、収穫時期判定などのソフト開発を、デンソーが収穫ロボットのハード開発を担当した。

今後は実用化に向け、現地実証試験などを行い、安定性や正確性をさらに向上させ、ロボットを安全に利用できる仕組み作りを進めていく。

デンソーリリース
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