圃場を見える化 農作物生産コントロールの実証実験

2021/07/12

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NTT西日本グループは、愛媛大学、青空とともに、廉価な汎用ドローンで撮影した空撮画像から高精度な分析を行うことを可能とした、独自の圃場分析技術による農作物生産コントロールの共同実証実験を開始したと発表した。圃場分析技術は、愛媛大学が研究開発した葉緑素推定アルゴリズムを用いる。

同実証実験は、生産性向上・収益改善が課題となっている地域農業において、デジタル活用により圃場内の農作物の生産品質・収量を安定化させることに加え、余剰生産による廃棄ロスを抑止し生産性の高い農業を実現することを目的としている。

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共同実証実験のイメージ。

農業就業人口・農家数の減少が加速する国内農業は、少数の大規模農家が多数の圃場を管理し農作物生産を行う形態へと変化している。大規模農家では、「いかに少ない労働力で効率的に広大な圃場を管理し、高品質な農作物の安定的な栽培を低コストで実現していくか」が重要な課題となっている。

たとえば、複数の圃場からなる広大な耕作エリアを抱えると、エリアごとの条件差を踏まえた、きめ細やかな栽培管理を行うことが難しくなる。この結果、エリアごとに生育状況のばらつきが生じ、安定的な生産ができないという問題が生じる。また、生産のばらつきや天候不良の影響を吸収し、取引先の要求を満たす収穫量を確実に確保するには、恒常的に余剰生産を行う必要があり、結果として大量の廃棄ロスが生じるという問題もある。

これらの問題を解決するには定期的に圃場全体の生育状況を分析し、生産の安定化、廃棄ロスの抑止を実現することが不可欠だが、既存の分析手法では高額な装置が必要となるため、農家にとって安価な分析手法の確立が必要である。

このような背景を踏まえ、NTT西日本グループは愛媛大学、青空株式会社と共同で、これらの課題を解決し農業生産のDXを実現するための実証実験への取り組みを開始した。

同実証実験の内容は、農作物の生産の安定化と過剰生産による廃棄ロス抑止について、低コストに実現するシステムの評価を行うもの。

●生産の安定化に向けた実証内容

愛媛大学が開発した低コストで導入可能な独自の圃場分析技術、NTT西日本グループのドローン・ソリューションとクラウド基盤を活用し、農作物の生育状況を分析する仕組みを構築する。また、分析結果に基づいて適切に肥料を与えることで、生産量・生産品質の安定化に繋げる。

具体的には、まず、青空のレタス圃場を廉価な汎用ドローンカメラで空撮する。次に、圃場全体を撮影した俯瞰画像データからSPAD値(葉緑素の含有量を示す値)を分析し、レタスの葉緑素濃度を推定することで生育状況を可視化。そして、可視化された生育状況に基づき必要箇所に必要な量の肥料を与え(可変施肥)、レタスの生育・品質のばらつきを抑制する。

●廃棄ロス抑止に向けた実証内容

分析された生育状況データと青空株式会社の野菜栽培ノウハウを活用し、収益性に優れた営農手法の確立を目指す。

具体的には、レタスの生育状況、天候データとこれまでの知見から収穫可能時期や収量を予測する。販売先の要求量に対する余剰量を早期に予測することで、余剰分の販売先を事前に確保し、廃棄せず収入源に転換していく仕組みを構築する。

実証実験を行うエリアは岡山県真庭市で、2021年6月~2022年3月まで。それぞれの役割分担は、NTT西日本は、クラウド基盤提供(分析環境)、収量予測モデル作成、NTTビジネスソリューションズが、ビジネス性評価、ドローン自動化撮影、愛媛大学が、葉緑素推定アルゴリズムの提供、圃場葉緑素分布マップの作製、青空が、圃場葉緑素分布に基ずく可変施肥実施、農作物品質および収量評価、収量予測ノウハウの提供となる。

今後、NTT西日本グループでは共同実証実験で得た知見を踏まえ、引き続き関係組織と連携しながら農業生産DXソリューションの事業化を進める(2022年度)。また、ソリューション提供を通じて、地域農家の生産性・収益性を高め、地域経済の活性化に貢献していくとしている。

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