北電、寒冷地対応型の植物工場の実証スタート

2021/04/08

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北海道電力と農業生産法人輝楽里(きらり)およびその関連会社である江別ヤマト種苗は、北海道の基幹産業である農業への貢献を目的に、寒冷地向けの植物工場の実証試験を開始した。

北海道の農業は、少子高齢化のほか、収入の不安定さや労働環境などの理由から、この30年間で就業者の激減や高齢化が進み、担い手不足という大きな課題を抱えている。こうした課題を解決し、北海道の農業振興に貢献する方策のひとつとして、通年で計画的な生産・収穫が可能で、従来の露地栽培に比べて生産者の負担が少ない完全人工光型の植物工場に着目した。

北海道電力は、栽培環境(温度・湿度・気流など)を低コストで最適化する空調制御手法の確立、栽培用LEDの最適化による品質安定化や生産性向上などを担い、輝楽里グループは、実践的な栽培データの蓄積による高品質かつ安定した生産手法の確立、イチゴなど高付加価値作物の栽培技術の確立を担う。実証項目は以下の通り。

【実証項目】
・寒冷地に対応した植物工場の最適設計手法の確立・採算性の検証
・品質や収量の安定化、品目拡大など栽培作物の付加価値向上
・デジタル技術の活用による栽培管理のスマート化
・小~中規模の植物工場を活用した新たなビジネスモデルの創出

今回実際に使用される実証システムは、高断熱ドーム型ハウスに多段型水耕栽培ユニットを設置したもので、レタス等の葉物野菜とイチゴの栽培に取り組む。

北海道電力 完全人工光型植物工場 スマート農業 地域活性

今回、実証試験に使用されるドーム型ハウス。
(出典:北海道電力プレスリリース)

ハウスは、ジャパンドームハウスが販売するドーム型ハウスを採用。厚さ200mmの特殊発泡ポリスチレン製のため、高断熱・高気密・高強度に優れている。実証では全長30m、幅7.7m、延べ床面積約230㎡のドーム型ハウスに、多段型水耕栽培ユニットを11台設置する。

北海道電力 完全人工光型植物工場 スマート農業 地域活性

ハウス内に設置された高さ約2mの6段ユニット。養液を含んだ水を循環させる。1ユニット当たり最大720株の栽培が可能だ。
(出典:北海道電力プレスリリース)

ハウス内には高さ約2mの6段ユニットにレタスの苗を置き、養液を含んだ水を循環させる。1ユニット当たり最大720株の栽培が可能。土を使わないため害虫の発生がなく、水分の汚れもほとんどない。

室内は高効率ヒートポンプエアコンにより室温が一定に保たれ、ユニット内の水温などもセンサーで自動的にコントロールする。光源のLEDはユニットごとに光量が細かく調整できる。

水耕栽培ユニットやドーム型ハウスは、すでに本州の植物工場でも採用実績のある製品を使用した。

今回の実証試験では、さまざまなコスト削減の工夫や作物の高付加価値化などにより小規模からでも採算性を確保でき、導入したい規模に応じて柔軟に設計が可能な植物工場のモデルを構築するとともに、これを活用した新たなビジネスモデルの創出を目指す。

実証期間は2023年3月までの約2年間を予定する。

北海道電力プレスリリース
北海道電力