東京型スマート農業の6つの研究開発がスタート

2021/04/26

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東京都と(公財)東京都農林水産振興財団では、昨年10月にIoTやAI等の先進技術を活用した「東京型スマート農業プロジェクト」の推進基盤として、民間企業や研究機関、生産者など多様なセクターの参画を得て「東京型スマート農業研究開発プラットフォーム」を設立し、意見交換を行ってきたが、このたび同財団東京都農林総合研究センターと6つのテーマの共同研究開発がスタートした。研究開発テーマは以下の通り。

東京型スマート農業プロジェクト 東京都 都農総研 スマート農業(1)直売を主体とした経営管理システムの開発(LAplust、Veggie、東京大学)

新型コロナの状況下、身近で農産物を購入できる直売所が好評であり、この機会を捉え消費者サービス向上と売上アップを目指す新たなビジネスモデルの構築が課題となっている。そこで、消費者がスマートフォンからリアルタイムで庭先直売所の農産物を画像で確認できるWebアプリと店番装置(カメラ)を開発する。

昨年度に試作品カメラが完成し、取付場所や角度による写り方を確認し、最適な設置方法を検討中。また、人感センサー付きの店番装置を開発中で、試験農家で検証中だ。

(2)ソーラーエネルギー利用システムの開発(東芝エネルギーシステムズ)

環境制御や作業を自動化するスマート農業は電力を多く消費するため、経営コストの削減や電力のない農地での実施が課題。このため、省エネ対策やどこでも農業DXが可能となるよう、ビニールハウスの天井などに簡単に張り付けて使える「軽量フレキシブル太陽電池」の利用技術を開発する。

昨年度より研究が進められており、試験用のフレキシブルソーラーパネルを都農総研のハウスに設置し、モニタリングを開始している。ハウス内ではイチゴを栽培中。

(3)多品目栽培用作業スケジュール管理システムの開発(Agrihub)

東京の農業は、直売向けの少量・多品目栽培が多く、数十品目の農産物を生産するケースもあり、作業や資材等が多岐に渡るため経営管理が極めて煩雑になる傾向にある。そこで、連作障害にも配慮して作物ごとの栽培作業スケジュールをスマートフォンで管理し、計画的・効率的に農作業ができるようWebアプリを開発する。

(4)小型コンピュータを活用したハウス環境制御システムの開発(システムクラフト)

東京で一般的な小規模ハウスの多棟管理は換気や灌水などが重労働である一方、コスト面から高額なシステム導入が困難な場合がある。このため、生産者が手軽に環境制御を行えるよう、小型コンピュータを活用した、低コストなハウス側窓開閉装置や灌水装置等を開発する。

(5)果樹根域制限栽培における環境制御システムの開発(ヤンマーアグリジャパン)

東京ではブドウが消費者から人気で、収益性も高いため重要品目であるが、労働負荷軽減や、近年の温暖化による着色不良等の品質低下が課題。そこで、ブドウの品質・収量の向上、作業の軽減・効率化に向け、根域制限栽培と自動環境制御技術を組み合わせた新たな生産システムを開発する。

(6)スマート農業技術の経営的評価・経営モデル構築(東京大学)

スマート農業技術の導入には、農地面積や労働力、技術力、資本力等の経営環境に加え、技術導入の費用対効果を考慮した経営判断が必要となる。このため、各種スマート農業技術の経営評価や経営モデルを構築し、農家の多様な経営環境に応じた技術導入の指針として活用する。

産学公の技術力を結集し、先進技術と農業技術を融合した実証実験等を推進することにより、新たな農業システム・技術の開発に取り組み、小規模でも高収益を実現する「東京型スマート農業」の確立を目指す。

東京型スマート農業プロジェクト
東京都